日々の疲れを芯から取るなら、静かな離れが良い!隠れ家的と一言では言ってしまいたくない宿。

下部温泉といえば、山梨の温泉で有数の温泉地。
色々な雑誌やTVなどで紹介されつくしている信玄の隠し湯です。大きな旅館・小さな旅館合わせて25軒位もの宿が下部駅周辺と下部川沿いの細い道の両側に建っています。いわゆる温泉街。今回は、駅から少し離れた場所にある一戸建ての離れ5棟、本館2階に7室の、隠れ家のような御宿、『湯宿梅ぞ乃』をご紹介します。もちろん日帰りOK!でも少人数しか受け入れないからお断りされる場合も・・・。穴場の時期をお教えします。



松林の中にある『梅ぞ乃』の朱色の壁がとっても粋で、異空間に着たみたい。

国道300号線から、いで湯橋を渡ってすぐJR身延線下部駅の駅舎が見える。『梅ぞ乃』に行くには、踏み切りを渡らずすぐ右折するのだけれど、ちょっと下部の温泉町が見てみたくて踏み切りを渡ってまっすぐ下部川沿いに車を走らせました。道は急に左に進んだかと思ったら、すぐに右に円を書くよう曲がっていきます。そこに多くの宿がひしめき合うように並んで建っています。今にもそこの路地から浴衣を着た宿泊客が出てきそうな、そんな温泉町独特の味のある空間で、どことなく懐かしさがありました。さて、先ほどの下部駅の踏み切りまで戻り、『梅ぞ乃』に向かいます。そのまま線路脇を通りほんのすこし行くと松林の中に朱色の和風の建築物が見えてくるのですが、さっきの下部温泉街の様子とは一転。静かな場所・・・。静けさと落ち着きの中で、朱塗りの壁が『梅そ乃』はここにあると主張しているように思えました。そして、時折目の前をゆったりと走る身延線の音が、夢から寝返りの分だけ醒まさせてくれるように心地よく聞こえます。山梨で有名な温泉地『下部温泉』の中でも、この『梅ぞ乃』を選んだのは、こういった空間の魅力と、後でご紹介するオーナーご夫婦の暖かさにあります。


身延で窯を持つ竹下先生が設計。朱色の壁はそのリニューアル時に塗りかえられたもの。

車を乗り入れたときから、その粋な雰囲気に驚きました。一見朱塗りの壁がミスマッチのように思えて、でも前に立つと松の木とのコントラストがとっても素敵な空間を演出しています。『春になったらもっと色んな草花が芽吹いてきれいなのだろう』と想像できます。中に入るととってもやさしいお顔立ちの美人女将がお出迎え。ご挨拶後、まず女将から質問されました。「なぜうちをお選びになったんですか?下部ならもっと有名な旅館や大きな旅館もありますし、公共の施設もありますのに・・・・」。そこでナビィの『山梨の温泉・近所の湯』の主旨(ちょっと変わった温泉、とっても泉質の良い温泉、絶景の温泉、あまり知られていない超お薦めな温泉)をお話すると、「ああ!そういうことであれば・・・」とやわらかな笑顔でうなずかれました。その後、お客さまが来る前にと、いつもの質問攻めにしてしまいました。

Qナビィスタッフ : こちらは、いつろオープンしたんですか?
A女将さん : 私は嫁なので、あまり詳しくは知りませんが、祖父母の代には駅の方で料理屋を営んでいたそうです。昭和30年頃、こちらに『梅ぞ乃』を開業したそうです。当時は水もやっと届くくらいの場所だったそうです。
Qナビィスタッフ : 『梅ぞ乃』というネーミングはやはり梅ですか?
A女将さん : はい、梅の木が多くて『梅ぞ乃』という名前にしたそうです。庭を造りなおしてからはだいぶ梅の木は減ったようですが、それでも梅の時期が来ると白梅が咲きます。
Qナビィスタッフ : そうすると、梅の時期・・・え〜と2月後半くらいに来るときれいなんですね?また、その他オススメの時期はありますか?
A女将さん : そうですね、梅の時期に来ていただけると見事です。また、ゆったりお風呂に入っていただけます。うち小さな宿ですので、御泊りのお客様が多いときは、日帰りのお客様はお断りすることがあるんです。お風呂が満員だと疲れも取れませんからね。いつもお風呂が混まないようにしています。ですが、梅の見頃の時期とお風呂から満開に見える桜の時期は、ゆっくりしていただけるんです。下部温泉は湯の温度が低いから寒い時期を嫌う方が多いんですが、実際はぬる湯あつ湯を繰り返していただいて、心からぽかぽかになっていただけるので、この時期の方がオススメなんですけどね。
Qナビィスタッフ : お風呂から桜が見えるというのはいいですねぇ〜。
A女将さん : 夏休み・お正月・ゴールデンウィーク・また、ほたるの飛ぶ時期などはお蔭様で満室となるのですが、それ以外は若干空いています。
Qナビィスタッフ : こちらの温泉をいただくのはその時期が狙い目ですね。
Qナビィスタッフ : 館内のお話をお伺いしたいのですが、離れがあるんですね。
A女将さん : はい、離れ5棟、本館2階に7室の合計12部屋になっています。離れはすべて一戸建てですので、他のお客様に気兼ねすることなくご自分のお家でくつろくようにゆっくりしていただけます。
Qナビィスタッフ : すごいですね、本館の他に敷地内に5つの離れがあるということですね。
A女将さん : はい、離れの5棟の内4棟は檜風呂になっています。
Qナビィスタッフ : 御泊りの方の食事は、大広間で?
A女将さん : いえ、離れのお客様は夕食朝食共お部屋のお運びしています。本館に御泊りのお客様には夕食はお部屋で、朝食は大広間で召し上がっていただいています。
Qナビィスタッフ : いいですねぇ〜。今どこでも食事は別の場所ですからね・・・。日帰り入浴の方は離れは使えないんですよね?
A女将さん : 料金はアップしますが、ご希望でしたら休憩所としてお使いいただけます。グループやご家族の方には喜ばれています。
★そんな話をしていると奥からご主人がいらっしゃいました。第一印象 正直なところ、とっつきにくそうと思ったのですが、これが大違い!とっても気さくでダンディなご主人でした。
Qナビィスタッフ : 始めまして。今女将さんにお話を伺っていたところなんです。
Aご主人 : いやぁ〜(ちょっと照れて)女房がしっかりしてくれているから信頼しているんですよ。なんでもてきぱきこなしてくれます。
A女将さん : 料理は主人が作ってるんですよ。お客様に評判で、とっても嬉しいんです。おいしい料理を造ってくれていつも感謝しているんでです。
Qナビィスタッフ : きゃ〜〜 ラブラブですねっ!
★お二人は、はにかんでいらっしゃいました。アツアツなのでナビィスタッフはあてられてしまいました。ご馳走様。

梅ぞ乃 お料理の一例 写真提供:梅ぞ乃
(旬のものを使うため季節によって料理内容が変更になります)
Qナビィスタッフ : ではご主人にお伺いしますが、食材はどんなものをお使いになってますか?
Aご主人 : 川魚が喜ばれていますね。ヤマメ・イワナ・ニジマスなど、生け簀がありますので今泳いでいるものを下ろしてしてできるだけ早くお客様に召し上がっていただいてますので新鮮です。このところが合併しましたが、ヤマメは下部の町の魚に指定されていました。また、合併に伴って生湯葉も名物となりました。その他は、きのこ・山菜など山の幸ですね。
A女将さん : 主人は今でも月に1度料理の勉強に行っているんです。
Qナビィスタッフ : すごいですね!極めちゃってるんですね。
Aご主人 : いやぁ〜遊びに行っているようなもので(とご謙遜)

日替わりで男女入れ替わります:写真提供:梅ぞの
Qナビィスタッフ : ところでこちらは下部温泉の源泉を引いているんですよね。
A女将さん : はい、源泉が31.6度と低いために、多少沸かしています。ぬる湯(35℃前後)とあつ湯(42℃)があって、交互に浸かってくださると効果的です。下部のお湯は良いお湯ですから、上がった後もポカポカしているんですよ。
それほど広くないお風呂ですが、全面ガラスにしていますので、露天風呂のような雰囲気を味わえるようにしています。温度が低いために露天風呂だと寒いですからね。したくてもできないんですよ。
Qナビィスタッフ : オススメは先ほどのお話のように梅の時期と桜の時期ですね。
A女将さん : 特に桜はお風呂からご覧いただけて夜はライトアップもします。山々が見えるので秋の紅葉もきれいです。
Qナビィスタッフ : 先ほどホタルのお話が出ましたが・・・
A女将さん : ホタルの見られる場所は2ヶ所あるんです。この下部川を上っていって下部温泉郷の先に『ホタル公園』があります。また国道300号線を本栖湖方面に行ったところに『ホタルの里一色』があって、ここは自然に近いホタルがたくさん見られます。6月の第2土曜日には『ホタルまつり』があるんですよ。
Qナビィスタッフ : ホタルが見られるということは、清んだ水と自然があるということですね。
Qナビィスタッフ :
本日はお忙しいところ、取材に応じていただいてほんとにありがとうございました。なんか、隠れ家という一般的な言い方では言い尽くせないような良いお宿ですね。新しいわけじゃないけど、その雰囲気や空間が素敵で・・・。下部温泉のイメージとはちょっと違うお宿というか・・・・。
A女将さん : ありがとうございます。ほんとにゆっくりしていただけるんですよ。静かでしょ・・・。他のお客さんを気にせずご自分の時間をゆったりと過ごしていただきたいです。
Aご主人 : うん、そうだね。下部温泉の中でも、うちはちょっと変わってるかもね。でもそれを楽しんでくれるお客さんに来ていただけたら嬉しいね。
その後、ご主人に館内をご案内いただきました。



静けさの中で

フロント

お茶席

ロビー

離れへ

離れの一軒

離れのお部屋

離れの檜風呂

本館2階のお部屋

大広間

ぬる湯(今日は女湯)

ぬる湯とあつ湯

芯からあったか

今日は男湯

成分分析表

仲良し女将とご主人


入浴体験談
女将にぜひにとススメられて温泉に入りました。ぬるい!ぬる湯好きのスタッフにはたまらない湯加減。長いこと浸かっていられるこの心地良い温度。あつ湯もあるのだけれど見向きもせずにぬる湯三昧。ほんとならぬるいお湯と熱いお湯、交互に入るのが良いらしいく、それが新陳代謝にもつながって、外傷や骨折や運動障害にも良いらしい。結局、次の仕事に追われゆっくり入っていることができなかったのが残念。7〜8分ほどで上がり(女将に『そんな短い時間じゃ良さがわかんないでしょ!』とにこやかに一喝されたが・・笑)。いや、このお湯の良さは上がった後にビシバシやってくるのです。ポカポカとかポッカポカとか・・・その他に表現方法は無いのか!と思うくらいカラダの芯から温かでした。う〜〜ん 恐るべし下部温泉。

泉質
  アルカリ性単純温泉 源泉の温度 31.6℃
  ◇主成分  PH値 9.03 / ナトリウムイオン 326.6mg / カルシウムイオン 549.3mg
        塩素イオン 88.4mg / 硫酸イオン 1797.8mg

浴用の適応性 (飲料用の蛇口有り)
  ・神経痛 ・筋肉痛 ・関節痛 ・五十肩 ・運動麻痺 ・関節のこわばり ・打ち身 ・くじき
  ・慢性消化器病 ・痔疾 ・冷え性 ・病後回復期 ・疲労回復 ・健康増進 

浴用の禁忌性
  ・急性疾患(特に熱のある場合) ・活動性結核 ・悪性腫瘍 ・重い心臓病 ・呼吸不全
  ・腎不全 ・出血性疾患 ・高度の貧血 ・その他一般に病勢進行中の疾患
  ・妊娠中(とくに、初期と末期)


■湯宿 梅ぞ乃 ご案内■


日帰り入浴料金(税込み)
区 分 入浴料金 入浴料+大広間使用料 入浴料+個室使用料 入浴料+離れ使用料
大 人 1,000円 2,000円 3,000円 4,000円〜6,000円
子 供 500円 1,000円 1,500円 2,000円〜3,000円
営業時間 午前10時〜午後4時
御泊りのお客様優先となるためお断りする場合があります。ご確認ください。
■宿泊施設
2名以上より受付
1名様1泊2食付 ・・・ 本館2階 和室 9,450円〜10,500円
1名様1泊2食付 ・・・ はなれ 和室 18,900円〜21,000円
子供(小学生)の料金は大人の料金の70%
上記料金は、一泊二食付き、サービス料、消費税込み、入湯税(150円)別の1人の
 料金です
土曜、祝日の前日は1,000円増し。GW、お盆、お正月は2,000円増しとなります。
はなれはお風呂、トイレ付き。本館は洗面所付き、お風呂、トイレなしです。



山梨県山梨県南巨摩郡身延町下部1848の8

TEL:0556-36-0306  FAX:0556-36-0307





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